4/30教室作品

手順の整理」について考えならがどうにからならないかと麒麟といじっていたのですが、残念ながら今回は難しいという結論に至りました。

今回は個人的な趣味全開でアカヒレといたします。題材が地味なのが最大の難点ですが、蛇腹の魚としては、それなりにまとまりのよい作品ではないかと思います。また25cmで余裕で折れる、作例の15cmでも十分現実的というのがいろいろと優しい(※麒麟は最低35、奨励60cm以上)。

とはいっても、麒麟の方もせっかく整理もしたのでおまけくらいにはできないかと考えています。


手順の整理 折り図を描く前に。

自分の作品を折り図化する場合、実際に図を描くよりも前に手順化という作業を行っています。 これは実はすっとばしても折り図自体は描けるのですが、より分かりやすく、説明しやすく(=描くのが楽)、無駄のない(=図の数が減る)手順などを事前に考えておく事で、折り図の質を高めることにつながります。また、手順を整理しておくことで図を遡った修正なども減らすことができます。

具体的には、実際に何回か折って、手順や作品自体の整理を行います。折る順番を変えたりしながらある程度の試行錯誤が必要です。

  • 事前につける必要のある折り筋の精査
  • 折り筋をつける順番
  • 折り畳み手順の検討
  • それが説明可能かつなるべく図解しやすいことの確認
  • 場合によっては作品自体の変更と修正
  • 曖昧な基準や折りの整理
  • 仕上げの折りをどこまで説明するか線引き。

こんなところだろうか。結構いろいろと考えています。

・事前につける必要のある折り筋の精査

展開図の折り筋全部を事前につけてしまうのも一つの手ではありますが、実際には手順で自然につけられる折り筋や、折る時につけても問題ない折り筋も多いものです。また、たくさんの折り筋がついていると、図解作業の手間も増えてしまいます。 確実につけておく必要のある折り筋を精査しておけば、図を見やすく、無駄な手順を省く、作業の省エネ化などが期待できます。

・折り筋をつける順番

基本は分かりやすく・折りやすくです。例えば蛇腹状の折り筋をつける場合、まず1/2、次に1/4、1/8といったように、順番に細かくしていくと、折り間違いなどを減らす事ができます。また誤差の出にくい手順、さらには漸近法等を利用した誤差を目立たなくする手順なども考えられます。このあたりは今後の研究が期待されます。

・折り畳み手順の検討

「展開図どおりに折り畳む」はなるべく避けたいので、なるべくまともな手順を考えます。先に折るべき部分や、条件が揃わないと進められない部分などもあるはずなので、比較検討しながらより良い手順を探します。 なにより無駄がない手順であれば、図解の手間もその分減ります。

・説明可能かつなるべく図解しやすいことの確認

上記の項目と被りますが、それぞれの手順がなるべく説明しやすいことや、なるべく同時に折り畳む工程を潰す(=立体図を減らす)など、折り図にした時の事も考えた手順にするとよいでしょう。

・場合によっては作品自体の変更と修正

とはいえ、そもそも良い手順に出来ないような場合もあります。内部構造や細部を修正することで改善できるのであれば、作品自体の修正も検討するべきです。

・曖昧な基準や折りの整理

細かい形や、曖昧な折りなどはなるべく整理しておきます。基準等もなるべく決めておくといいですね。

・仕上げの折りをどこまで説明するか線引き

これは作品によりますが、仕上げの比率が大きい作品の場合、たとえばぐらい折りや曲線を完全に説明するのは不可能です。また、用紙や大きさによって調整しなければいけないような部分は、折り図では説明しにくい(もしくは意味がない)場合もあります。ある程度割り切って、説明する部分としない部分の線引きを行う必要があるでしょう。

最後に。 分かりやすい手順、きれいに折れる手順、覚えやすい手順、折りやすい手順、図にしやすい手順、面白い手順、いろいろな手順が考えられますが、全てが同じ結果であるとは限りません。また全てを満たす完璧な手順はそうはありません(例えば一般的な折り鶴の手順はほぼ完璧ではあるのですが、「きれいに折れる手順」だけを考えるならより良い手順が存在します)。 2つくらい優先する項目を決めて、それを基準に考えるとよいかと思います。

「段取り八分」という言葉もあります。手順の整理は折り図制作の一部と考えて、しっかりと準備をしておくとよいですね。


初音ミクの折り紙と利用

ちょっと気になったので。

結論から。公式がガイドラインを出してるので読め。以上。 http://piapro.jp/license/character_guideline

要約がとても簡潔で分かりやすい。

http://piapro.jp/license/pcl/summary

 

以下、専門家ではないので無責任な雑感。かなり興味深いガイドラインでした。

折り紙の関連する範囲では、大抵の場合は「A.非営利かつ無償の利用」に含まれるかと思います。 自分で創作した・もしくは他の人の作品を折ったものを、ウェブサイトやブログ等で公開する場合や、コンベンション等での展示も問題無さそうです。

「PCLクレジットを表示するよう努めてください」とありますので、可能な限り表記しましょう。twitterなどは文字数的に難しそうなので、努力義務的な条件はよく考えられています。

「B.非営利かつ有償の利用について」は、例えば折り図の同人誌や、折った現物を手間賃程度の金額で配布するようなケースでしょうか。 ちゃんと許可を得る方法としては、かなり簡単に手続きができるようです。

はっきりと言い切れないのは、折り方を教える場合です。 文面を読む限りでは、無償ならAでOK、有償や営利目的の教室であれば許可が必要。営利かどうかによって手続き方法が変わるのかな。 コンベンション等での講習は、講習を行う人は無償かつ趣味の範囲なのでAの無償利用に含まれると思うのですが(現実的に問題にはならないと思うし)、最終的な判断するのは許可を出す側になります。

なんにせよ 、 分かりやすい形で可・不可が表明されているのは良いことですね。


折り図tips: 矢印の向き

基本的に、矢印の向きは図の視点(重なりのずらす方向)や動きと合わせた方が分かりやすい。

左側の方は視点と同じ側なので、直感的で分かりやすい。右側は向きが違うので、間違いではないのですが違和感があります。説明の都合などの必然性がなければ、向きを合わせた方が良いでしょう。

 

実際に折り図を見ながら折る場合、その図だけではなく前後の図も一緒に見ながら折ります。左の図だけ見ればどちらでも構わないのですが、場合によっては次の図と向きを合わせておいた方が分かりやすい。

 

紙の動きと矢印を合わせた例。それぞれ左側の方が、どのように折るか理解し易いのではないかと思います。右側は、よく見ると間違いではないのだけれど混乱しますね。


TVチャンピオンの話

TVチャンピオン復活!!  折り紙王以前から見ていた番組ではあったのだけれど、当時はまさかここまで深く関わることになるとは思わなかったなぁ。

過去の5回+αの収録の中で、一番考えるのが楽しかったのはバージェスおせち。制作が楽しめたのは獅子島でのライフサイズ動物園。作戦通りにできたのが上記の犬と魚。緊張したのは恐らく初出場の時の決勝採点時。 やられた感があったのが木下剛さんの寿司一丁。この手の即興とアイディアでは彼に勝てる気がしない。

 

さて、せっかくなのでもう少し。今だから言える話なのだけど、実のところ連覇できたのは、経験とそこから戦略を考える事ができたのが大きい。もちろんある程度の創作能力などは必要ではあるけれど、それだけではない。個人的な感覚だと、戦略・能力・運がそれぞれ同じくらいに影響してくるように思う。そして特に戦略については、出場の経験の有無が大きく関わってくる。

という事で、まずは前提として。

  • 毎回細かいルールの違いはあるけれど、基本的に決勝以外は負けなければいい。
  • ただし、同時に勝ち上がれなければ無駄なので、まあ負けないだろうというレベルのものは必要。
  • また、決勝については、当然勝たなければいけない。
  • 重要なのは準備とそのリソースの配分。決勝とその他で50:50くらいで、決勝以外のものが及第点に達したら決勝作品に集中するという感じ。

例として、作戦がほぼ完璧にはまった6回前半戦を思い出してみます。この勝負は、昆虫、魚、犬を折って合計ポイントを競い1名が脱落というルール。 まさに「負けなければOK」という戦いです。

まずは虫。投票は一般の方(たしか親子)によって行われました。 経験上、この手の一般の人の投票のケースでは、とにかく視覚的に派手でインパクトがある複雑な作品が有効です。また、そのを事を最大限活かすためにも、一定時間でどの程度ものが折れるのかを把握している必要があります。 この辺りの傾向を把握し、対策を練る事ができるかどうかは、 経験者が圧倒的に有利なのです。本番で用意した作品は浪人カマキリ。用紙はホイル紙+雲竜を用意。時間が限られている時には、仕上げののり付けがあまり必要ないホイル紙が便利です。結果としてある程度のリードを確保することができました。

次の魚と犬については題材争奪戦的な内容です。 早い者勝ちで題材を捕まえ、折ったものを5名の専門家に見せて、題材をあててもらった数だけポイントが入る方式。 全員正解なら5点、全員不正解なら何種類折っても0点です。 ここで事前に準備した作戦は、魚介類と犬のうちそれぞれ特徴的な数種類をピックアップして、それぞれ満点をとるつもりで作品を用意。確実に点をとって逃げ切る作戦です。目的は勝ち抜く事なので、平均点をとれれば十分なのです。 魚の場合、用意したのはたしかホタテ、カレイorヒラメ、サザエ、あと魚1種くらい。ちなみに貝が多いのは捕まえやすそうだから。

犬についても、ブルドッグ・ダックスフンド・コーギー・アフガンハウンド 、あともう1種類くらいを、犬種は分かるだろうという程度まで創り込んでおきました。 また、用意した種類以外にも、汎用性のありそうな基本形を数種類用意しておき、残り時間に合わせて現場で即興対応する事にした。 用紙については、それっぽい色の紙を多めに用意して、題材に合わせてえらぶ事で対応します。

実戦では、とにかくピックアップした題材を優先して確保、早折りで点を確保し、残りの時間で確実に追加点を狙いました。 まず魚については、ホタテ、サザエ、カレイを確保。それぞれほぼ満点で終える。これでまず負けない事がわかったので、余裕をもって魚2種類(カワハギとアジだったと思う)でさらに追加点を獲得。犬の方は、ブルドッグ・ダックスフンドをまず確保。この段階で勝ち抜きは確定したので、残り時間でじっくりと追加点を狙いました。結果的に余裕をもって勝ち抜く事が出来たのですが、他の人の状況を見た限り単純な実力というよりは作戦勝ちでした。

余談ですが、この時折ったコッカーとレトリバーは、その後折り図化されたものとほぼ同じ形をしてます。この事からも十分すぎるほどの余裕があった事が分かります。

さらに余談。その裏(というか表)では、飯沢さんと宮本さんが同点(たしか)の状態から題材最後の1匹となったチワワを奪い合うという、番組としては非常においしい展開になっていました。ネタ的にはここがクライマックスで、全部持っていかれた。

 

決勝については、当然ながら勝たなければいけないわけですが、投票方式によって対策が変わります。 審査員が一般の人であれば、前述のように見た目重視で。専門家であれば、題材やまとまりも重視する必要があります。 ポイントとなるのは、

  • 高さを使ったレイアウト。
  • 作品一つ一つのサイズはなるべく大きく。
  • 自分が折る速度を把握しておく。(10時間でどのくらいの物(もしくは量)が折れるのか?等)
  • 最初から100点を目指さない。個別の作品は60点程度でもいいので、まずは全部の材料をそろえる。
  • 紙は使い慣れている信頼できるものを用意する。ここでも速度を考えるとホイル紙は有効。
  • ボリューム確保のため、簡単に追加できる小物を用意しておくとよい。ジオラマなら例えば草や波など、シンプルで幾何学的な形のもので問題無し。

あたりでしょうか。 あと、これは準備期間次第ではありますが、作品をある程度(前述の60点程度)まで仕上げる創作スピードも重要です。

以上、今のところまだ折り紙王は企画されていないようですが、それなりに定番となっていたので復活の可能性は十分あります。話がありそうな心当たりのある人は、スピード創作や10時間耐久折りとかしておくと安心ですよ。



おおさんしょううおの比率とその折り出し方

折紙探偵団マガジン167号に掲載された豊村高志さんのおおさんしょううお、記事では折り出しやすい近似値を利用していますが、実際はどのような比率なのでしょうか? またどのように折り出せばいいのでしょうか?

※実際に折る時には問題にはならない程度ですが、小さなズレがあります。

比率を求める

複雑な比率を計る時は、縦横に基準線を加えると分かりやすくなります。
ぜひマガジンの展開図と比べてみて下さい。

内側の部分で数字を取り出します。中略。結果、脚のカドになる点の両側は、
4+2√2:2.5+2√2
となります。2.5ってなんだよ。

数値の約分

0.5を扱い易くするためにまず2倍にします。
8+4√2:5+4√2
それにしても数字が大きい。もう少し分かりやすい数字にできないでしょうか?

ここで利用するのが、「1+√2:2+√2 = 1:√2」。

ということで、それぞれ1+√2で割ります。つまり、
4(2+√2):3(1+√2)+(2+√2)
=4√2:3+√2
かなりシンプルな数字になりました。

折り出し

とりあえず、合計して1辺全体の長さを求めます。
3+5√2
いろいろな可能性が考えられますが、今回については2√2と3+3√2に分けて折り出すのがよさそうです。折り出したい点との相性もいいし。
次、考えやすさののため、全部√2倍します。(必然ではありませんが、√が少ない方が分かりやすいという程度の理由です。)
2√2:3+3√2
=4:6+3√2
折り出しやすそうな数字になってきました。
3√2の「3」をどのように折り出すかだけが問題ですが、今回は4:3の長方形を利用して折り出します。
それぞれの比率を横幅、縦幅を3とすると、折り出しに必要な長方形は「4:3」と「3(2+√2):3 = 2+√2:1」で、どちらも簡単に折り出せる比率です。

折り手順

実際の折り手順は以下のようになります。顎になる点が折り出せますね。

以上、使った事のない比率だったので考えてみました。


1×4ユニット

昔(1999年)に創ったユニット作品。出す機会がないまま最近に至る。

構造は単純なのですでにあってもおかしくないけれど、少なくとも私は見覚えがない。

当然フチを折り返して模様替えなども可能。また裏組みもなかなか面白い形です。



ドローソフトのグループ階層について

折り図tips:作業中のグループ化 https://www.folders.jp/uc/2018/431/で少し触れたグループ化階層の上限の件、せっかくなので確認してみた。

まずはIllustrator CS5、29回目でエラーメッセージが表示された。ということで、28回。

なお、どうもエラーメッセージを見る限り、回数だけでの制限ではないらしい。グループに長い名前をつけたりすると、条件が変わるのかもしれません(未検証)。

FreeHand MXは20回。さすがに古いソフトという事もありAIより少ない。

inkscapeは、もしかしたら制限が無いかもしれない。とりあえず50回までは確認した。svgファイルの<g>タグの階層が酷い事になるけれど、プログラム上での扱いは問題ないのかもしれません。

ちなみに私はこれまで折り図を描いていて、グループの階層の限界で困った事ありません。図ごとにグループ階層を増やすとかしない限り、現実的にはほぼ問題にはならないように思います。