「 折り図tips 」一覧

折り図tips:パスの方向の反転

山折り線・谷折り線の終点が半端になってしまう場合の対処法です。

こんな感じに半端な長さの点線が残ってしまう場合です。山谷の折り筋は、起点となる点から外側に向けて直線を描くケースが多いと思いますので、実は結構発生しやすい問題です。これはパスの向きを反転させる事で問題を解決する事ができます。線の長さを調整してもいいのですが、拡大・縮小するとずれて調整し直しとなるのであまりお勧めしません。

FreeHandの場合、メニューの「修正」→「パスの操作」→「逆方向」でパスの向きを反転させる事ができます。よく使う機能なので、ツールバーに登録しておくと便利です。

 

結果、半端な部分は折り線の起点側になり、表示される部分はきれいな谷折り線になりました。

Illustrator(手元のCS5)の場合、探してみたのですがそれっぽい機能が見つけられませんでした。一応、

  1. パスを選択して複合パスを作成(cmd+8)
  2. 属性パネルの「パスの方向反転」オン、オフで切り替え
  3. 複合パスを解除(cmd+sft+opt+8)

という手順で反転自体はできるという情報は見つけたのですが、少々めんどくさい。直線であれば180度回転でもいいのですが、ポイントが多いオブジェクトの場合はちゃんと反転させるべきでしょう。

こういう時はスクリプトが便利です。絶対同じ事を考えた人がいるはずと思い探してみたところ、やはり作っている人がいました。

http://www.pictrix.jp/ai/ReversePath/

Illustratorでの作業では必須スクリプトとして愛用させて頂いております。この場を借りて一方的にお礼申し上げます。

これもショートカット割り当てのサポートアプリなどを利用して、呼び出しやすい状態にすると便利です。

最後にInkscapeの場合。せっかくなので確認したところ、Pathメニューにありました。

以上、鎖線の終点だけでなく、紙の重なりなどで山折り線(の短い線)が見辛い場合にも使えます。


折り図tips:紙の向きを分かりやすく

対称性が高く紙の向きを間違えやすそうな場合は、早い段階でカドなどを折って印となる形を作っておくと、向きが分かりやすくなります。

例えば次の図のように、「折ってあるカドが下」としておけば、分かりやすく、紙の向きや対称軸を間違えにくくなります。

(なおこの後対称的でない折り筋つけていくという、向きを間違えないで欲しい工程になります。)

小松英夫さんとの会話の中で出てきたネタで、小さな工夫の割にはかなり効果のある、正にtipsという小技です。


折り図tips: 矢印の向き

基本的に、矢印の向きは図の視点(重なりのずらす方向)や動きと合わせた方が分かりやすい。

左側の方は視点と同じ側なので、直感的で分かりやすい。右側は向きが違うので、間違いではないのですが違和感があります。説明の都合などの必然性がなければ、向きを合わせた方が良いでしょう。

 

実際に折り図を見ながら折る場合、その図だけではなく前後の図も一緒に見ながら折ります。左の図だけ見ればどちらでも構わないのですが、場合によっては次の図と向きを合わせておいた方が分かりやすい。

 

紙の動きと矢印を合わせた例。それぞれ左側の方が、どのように折るか理解し易いのではないかと思います。右側は、よく見ると間違いではないのだけれど混乱しますね。


折り図tips:作業中のグループ化

 

折り図はまとまったパーツごとにグループ化しておいて、編集する時はグループ解除、終わったら再度グループ化しておくと、誤選択などを防ぐなどいろいろと作業しやすい。

 

例えばウマの図では、頭部、体前面、体背面、尾、前足と後ろ足それぞれ左右でグループ化しています。

こんな感じ。頭部はさらにたてがみなどのパーツごとにグループ化されています。

なお実際の作業の際には、編集するパーツの前面、背面のオブジェクトを、それぞれまとめてグループ化しています。

最終的には1つの図ごとにまとめてグループ化しておくとよいでしょう。

余談ですが、多くのドローソフトには、グループ化の階層の数に限界があります。通常まず問題にはなりませんが、少し気をつけておくと良いかもしれません。


折り図tips:図番号について

図番号は事前に用意しておいておくと、同じ番号の重複やスキップを防ぐ事ができます。また、入力の手間も若干効率化できるかもしれません。

数字の形は好みですが、個人的にはシンプルな太めのフォントのテキスト形式で、アウトライン化や装飾の無いものが一番扱いやすいと思います。スタイルを登録しておけば後でまとめて変更も可能です。


折り図tips:余計なポイントを削除する

折り図を描き進めていくと、いつのまにかポイント数1の点のようなオブジェクトが増えています。線を消し損ねて残ってしまったものや、一部だけ選択されてコピペされたものが多いですね。

基本的には余計なデータなので、定期的に消しておきましょう。

「グラフィックの検索・置換」パネルで該当するオブジェクトを選択して、削除できます。

属性を「オブジェクトの種類」、ポイント数「1」で検索します。該当するオブジェクトが選択されるので、そのまま削除すれば問題ないでしょう。


折り図tips:オビの書き方手抜き版

折り図の順番を示すオビをFreeHandで比較的簡単に描く方法。

まずは図の中心あたりにポイントをおくようにして線を描きます。まだ直線です。図やネームのオブジェクトは別レイヤーでロックしておくよいでしょう。

次。描いた線のポイントを選択して、「オブジェクト」パネルでベジェ曲線化(左側)、さらに自動設定(右側)にチェックをいれます。

これでそれっぽい曲線になります。

不自然な部分が出来てしまうこともあるので、手動で調整しましょう。ポイントの「自動設定」が生きていれば、ポイントの位置を動かすとベジェ曲線も自動的に調整されます。便利。


折り図tips:展開図の利用

折り図を描く時に、展開図を先に用意しておいてテンプレートとして使うと非常に便利です。形や距離の定規代わりはもちろん、形のゆがみなどの確認にも使えます。

最終的な展開図だけではなく、つける折り筋に合わせたものや、部分だけのものなど何段階か用意しておくと使いやすいですね。


折り図tips:ポイントへ吸着とカーソル距離

折り図を描く時には、「ポイントへ吸着」は常にオンにしています。ポイントの近くへカーソルを持っていくと同じ位置に合わせてくれるという機能で、カドや折り筋を一点に揃えられるので折り図描きには欠かせません。

(画像は見てのとおりFreeHand MX。大抵のドローソフトには同じような機能があるはず)

とはいえ、紙の重なり等の表現のため、少しだけずらしたいという場合もあります。そんな時は、キーボードの矢印キーが便利です。微妙な重なりの差や、カドの先を等間隔でずらしたい時などにも使えます。

私の場合、移動距離には、0.1mmを設定しています。

 

ヒダのような、等間隔でずらしたい場合にも矢印キーは使い易いですね。