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天才と天才肌

折り紙とはあんまり関係ない話。

ゆうきまさみ氏の「じゃじゃ馬グルーミン☆UP!」という漫画で、登場人物の梅さんというキャラクタによる天才論が描かれています。それによると、天才ジョッキーの条件とは

  1. なにをしゃべっとるのかわからん
  2. 説明のつかん勝ち方をする
  3. よって馬券が異常に難しい

なのだそうです。

で、ここからが本題。これを折り紙に強引に当てはめると、

  1. 何をしゃべっとるのかわからん
  2. 説明のつかん折り方をする
  3. よって創る作品が異常に難しい

というような感じになります。

さて、漫画の展開をなぞると、例えばロバート・ラング氏は1と2に当てはまらないので実は天才ではないという驚くべき結論を得られます。話も作品も人柄も理詰めという感じなので、この定義だとどちらも当てはまりません(何しゃべっとるのか(理解出来る人なら)理解出来る。説明のつく折り方しかしない。)。りろせーぜん。ただし3だけは当てはまるのが面白いところ。よく考えると「異常に難しい」の意味が違うのは気にしてはいけない。ちなみに吉野一生氏だと、2と3は当てはまりそうなので、天才率が高い。

ちなみにこの漫画では続けて「天才肌」についても描かれています。それによると1と3については天才と同じ。ただ2については「不可解な負け方」もするのだそうです。折り紙だと「折れない不可解な構造」あたりでしょうか。


……というような大変どーでもいい事を、天才とか天才肌とか見かけるたびに思い出してまうのです。


MZ-700に不可能はない

MZ-700とは、1982年にシャープより発売された、いわゆるマイコンで。不可能はないマシンとして(一部で)有名。実家に父の買ったこの機種があり、小さいころ簡単なBASICプログラムなどを書いて遊んでいました。

で、時は過ぎて数年前、懐かしいなあと思いながらネット上をふらふらしているうちに、見つけたのがこちら。「MZ-700に不可能はない」という言葉について、わりと熱い内容の記事となっています。

http://dic.nicovideo.jp/a/mz-700%E3%81%AB%E4%B8%8D%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84

さて、この「不可能がない」は当然折り紙にも当てはまります。
実例としては、龍神を創作した時に考えていた事が正にこれなのです。折り紙でそんなことが「できるわけがない」という考えを意識的に捨てて、馬鹿馬鹿しいようでもまずは実際に試してみる。そこで得られたものを積み重ね、一つずつ「できるわけがない」を潰していく。改めて考えてみても、不可能はないという立場を取って挑戦したからこそ生まれた作品なのです。

恐らく折り紙に限らない話なのですが、創作者が「できない」と考え諦めたことは実現できません。一見無理そうな事でも「不可能はない」と考え試してみる事で、可能性が0ではなくなります。なによりこの手の事はとにかく試してみるのが重要で、もし完成しなくても得られるものは必ずあります。

以上、私の座右の銘でもあり、今日の一言の中でも、最も元ネタがわからないであろう「折り紙に不可能はない」についてでした。



初音ミクの折り紙と利用

ちょっと気になったので。

結論から。公式がガイドラインを出してるので読め。以上。 http://piapro.jp/license/character_guideline

要約がとても簡潔で分かりやすい。

http://piapro.jp/license/pcl/summary

 

以下、専門家ではないので無責任な雑感。かなり興味深いガイドラインでした。

折り紙の関連する範囲では、大抵の場合は「A.非営利かつ無償の利用」に含まれるかと思います。 自分で創作した・もしくは他の人の作品を折ったものを、ウェブサイトやブログ等で公開する場合や、コンベンション等での展示も問題無さそうです。

「PCLクレジットを表示するよう努めてください」とありますので、可能な限り表記しましょう。twitterなどは文字数的に難しそうなので、努力義務的な条件はよく考えられています。

「B.非営利かつ有償の利用について」は、例えば折り図の同人誌や、折った現物を手間賃程度の金額で配布するようなケースでしょうか。 ちゃんと許可を得る方法としては、かなり簡単に手続きができるようです。

はっきりと言い切れないのは、折り方を教える場合です。 文面を読む限りでは、無償ならAでOK、有償や営利目的の教室であれば許可が必要。営利かどうかによって手続き方法が変わるのかな。 コンベンション等での講習は、講習を行う人は無償かつ趣味の範囲なのでAの無償利用に含まれると思うのですが(現実的に問題にはならないと思うし)、最終的な判断するのは許可を出す側になります。

なんにせよ 、 分かりやすい形で可・不可が表明されているのは良いことですね。


TVチャンピオンの話

TVチャンピオン復活!!  折り紙王以前から見ていた番組ではあったのだけれど、当時はまさかここまで深く関わることになるとは思わなかったなぁ。

過去の5回+αの収録の中で、一番考えるのが楽しかったのはバージェスおせち。制作が楽しめたのは獅子島でのライフサイズ動物園。作戦通りにできたのが上記の犬と魚。緊張したのは恐らく初出場の時の決勝採点時。 やられた感があったのが木下剛さんの寿司一丁。この手の即興とアイディアでは彼に勝てる気がしない。

 

さて、せっかくなのでもう少し。今だから言える話なのだけど、実のところ連覇できたのは、経験とそこから戦略を考える事ができたのが大きい。もちろんある程度の創作能力などは必要ではあるけれど、それだけではない。個人的な感覚だと、戦略・能力・運がそれぞれ同じくらいに影響してくるように思う。そして特に戦略については、出場の経験の有無が大きく関わってくる。

という事で、まずは前提として。

  • 毎回細かいルールの違いはあるけれど、基本的に決勝以外は負けなければいい。
  • ただし、同時に勝ち上がれなければ無駄なので、まあ負けないだろうというレベルのものは必要。
  • また、決勝については、当然勝たなければいけない。
  • 重要なのは準備とそのリソースの配分。決勝とその他で50:50くらいで、決勝以外のものが及第点に達したら決勝作品に集中するという感じ。

例として、作戦がほぼ完璧にはまった6回前半戦を思い出してみます。この勝負は、昆虫、魚、犬を折って合計ポイントを競い1名が脱落というルール。 まさに「負けなければOK」という戦いです。

まずは虫。投票は一般の方(たしか親子)によって行われました。 経験上、この手の一般の人の投票のケースでは、とにかく視覚的に派手でインパクトがある複雑な作品が有効です。また、そのを事を最大限活かすためにも、一定時間でどの程度ものが折れるのかを把握している必要があります。 この辺りの傾向を把握し、対策を練る事ができるかどうかは、 経験者が圧倒的に有利なのです。本番で用意した作品は浪人カマキリ。用紙はホイル紙+雲竜を用意。時間が限られている時には、仕上げののり付けがあまり必要ないホイル紙が便利です。結果としてある程度のリードを確保することができました。

次の魚と犬については題材争奪戦的な内容です。 早い者勝ちで題材を捕まえ、折ったものを5名の専門家に見せて、題材をあててもらった数だけポイントが入る方式。 全員正解なら5点、全員不正解なら何種類折っても0点です。 ここで事前に準備した作戦は、魚介類と犬のうちそれぞれ特徴的な数種類をピックアップして、それぞれ満点をとるつもりで作品を用意。確実に点をとって逃げ切る作戦です。目的は勝ち抜く事なので、平均点をとれれば十分なのです。 魚の場合、用意したのはたしかホタテ、カレイorヒラメ、サザエ、あと魚1種くらい。ちなみに貝が多いのは捕まえやすそうだから。

犬についても、ブルドッグ・ダックスフンド・コーギー・アフガンハウンド 、あともう1種類くらいを、犬種は分かるだろうという程度まで創り込んでおきました。 また、用意した種類以外にも、汎用性のありそうな基本形を数種類用意しておき、残り時間に合わせて現場で即興対応する事にした。 用紙については、それっぽい色の紙を多めに用意して、題材に合わせてえらぶ事で対応します。

実戦では、とにかくピックアップした題材を優先して確保、早折りで点を確保し、残りの時間で確実に追加点を狙いました。 まず魚については、ホタテ、サザエ、カレイを確保。それぞれほぼ満点で終える。これでまず負けない事がわかったので、余裕をもって魚2種類(カワハギとアジだったと思う)でさらに追加点を獲得。犬の方は、ブルドッグ・ダックスフンドをまず確保。この段階で勝ち抜きは確定したので、残り時間でじっくりと追加点を狙いました。結果的に余裕をもって勝ち抜く事が出来たのですが、他の人の状況を見た限り単純な実力というよりは作戦勝ちでした。

余談ですが、この時折ったコッカーとレトリバーは、その後折り図化されたものとほぼ同じ形をしてます。この事からも十分すぎるほどの余裕があった事が分かります。

さらに余談。その裏(というか表)では、飯沢さんと宮本さんが同点(たしか)の状態から題材最後の1匹となったチワワを奪い合うという、番組としては非常においしい展開になっていました。ネタ的にはここがクライマックスで、全部持っていかれた。

 

決勝については、当然ながら勝たなければいけないわけですが、投票方式によって対策が変わります。 審査員が一般の人であれば、前述のように見た目重視で。専門家であれば、題材やまとまりも重視する必要があります。 ポイントとなるのは、

  • 高さを使ったレイアウト。
  • 作品一つ一つのサイズはなるべく大きく。
  • 自分が折る速度を把握しておく。(10時間でどのくらいの物(もしくは量)が折れるのか?等)
  • 最初から100点を目指さない。個別の作品は60点程度でもいいので、まずは全部の材料をそろえる。
  • 紙は使い慣れている信頼できるものを用意する。ここでも速度を考えるとホイル紙は有効。
  • ボリューム確保のため、簡単に追加できる小物を用意しておくとよい。ジオラマなら例えば草や波など、シンプルで幾何学的な形のもので問題無し。

あたりでしょうか。 あと、これは準備期間次第ではありますが、作品をある程度(前述の60点程度)まで仕上げる創作スピードも重要です。

以上、今のところまだ折り紙王は企画されていないようですが、それなりに定番となっていたので復活の可能性は十分あります。話がありそうな心当たりのある人は、スピード創作や10時間耐久折りとかしておくと安心ですよ。



MacbookPro買い替えた

折り紙とはあまり関係ない話。

夏に数年ぶりに新調しました。OSが10.12 Sierraになり、いろいろ変わったので、折り紙に関連しそうなものについていくつか。

・本体

ひさびさの上位機種ということもあり、マシンパワーには不満無し。またRetinaディスプレイは細かく、画面が広く使えるのは素晴らしい。ただし副作用としてスナップ範囲が狭くて少し使いにくいという、まったく予想していなかった問題が発生。この解像度でなければ発生しない問題なので、心境としては複雑である。なおAI(CS5)のスナップ範囲の最大値が7ピクセルだということも今更知った。もう少し大きい数字を入れさせてくれてもいいのに。

他、USB-Cへの対応やいろいろ動かなくなったソフトやドライバ、周辺機器などもあったけれど、折り紙とは関係ないので割愛。

・IllustratorとFreeHandなど

まずFreeHand MXから。いい加減古いソフトで、そもそも10.6 Snow Leopardまでしか動かない。ということで、Bootcampや仮想環境上でWindowsや旧OSを走らせれば動きます。

http://aspect.blog.so-net.ne.jp/2015-07-16

http://aspect.blog.so-net.ne.jp/2013-03-03

Illustrator CS5については、そのままだと「Javaランタイムが無い」と怒られてしまいますが、実際はディレクトリさえあれば動くらしい。やってみたら実際動いた。もうしばらくは大丈夫かな。

http://doratex.hatenablog.jp/entry/20160921/1474401468

ViaCAD 7.0は問題なく動いた。細かい問題はあるけれど軽くて使い易いので、そのままでいいか。

Acrobat 9 Pro も起動確認。日常的に使うわけではないけれど動くと安心。

 


コンベンション告知など

折紙探偵団コンベンションまであと数日。関連情報などいろいろ。

準備等について

主な対価は関係者からの感謝と面識・人脈です。ぜひご協力よろしくお願いいたします。

講習作品
以下の2点の予定です。

・イス
コマ撮り動画で使用した作品の、模様無しの若干簡易版の予定です。
https://origami.com/

スマートなお支払いを。Redesign Shopping.

Origamiさんの投稿 2016年5月19日

・わら納豆
https://www.folders.jp/uc/2015/89/
接続方法自体はとても汎用性が高いので、やろうと思えば他にもいろいろ出来そう。

展示作品

ゴジラ2016 アナザー


創作時からアイディア自体はあったものの、絶対折り図に出来ないのでお蔵入りしていた、『秀麗な折り紙』に掲載された作品の別バージョンです。「もう一つの可能性」を完成まで折ってみました。現物は当日をお楽しみに(写真がないだけ)。他数点の予定。


作品寄贈記念展 ORIGAMI ~”神宿る手”吉澤章のまなざし~

という事で、紙の博物館で行われている展示会へ行ってきました。吉澤作品は、見る度に勉強になる点がありますね。今回気がついたことなどいくつか。

「キャピトルの雌狼」

作品現物はこれまでも展示されていましたが、今回は現物とともに、創作当時のものと思われる題材の像※1のスケッチと、そして折る途中の形状が展示されていました。 スケッチには、各部分の比率や、形を捉えるための補助線が細かく描き込まれていました。題材をよく見て分析するというあたりまえの事を、とても丁寧に行っていた事が分かります。吉澤作品の生き生きとした表現は、こういった基礎がしっかりとしているからこそのものなのでしょう。

※1:多分これ http://www.museicapitolini.org/collezioni/percorsi_per_sale/appartamento_dei_conservatori/sala_della_lupa/lupa_capitolina

「抽象作品」

大きい。前にも見た事があったかもしれないけれど、今回サイズを実感しました。また、曲線的な仕上げを多用した造形なのだけれど、保存状態の良さには驚きます。少なくとも30年くらいはたっているよね。

「象」ほか

ポスター等のメインイメージとなっている象や海の生き物などを見ると、吉澤氏はいわゆる「4鶴」的な構造を使いこなしていたようです。その当時の最新技術であったという事は間違いないかと思いますが……いったい何十年前だ? 創作年をぜひ知りたいところです。

地下鉄の最寄り駅は今年のコンベンション会場の東京大学と同じ南北線ですので、たとえば金曜日の午前中等に足を運んでみるのもよいかもしれませんね。

http://www.papermuseum.jp/


妹の個展@四日市

という事で、また折り紙とは関係ない話題。

来週より、妹が三重県四日市にて個展を行います。機会がありましたら足をお運びください。

 

神谷麻穂(Kamiya Asaho)展
期間:2017年4月16日(日)~23日(火)
会場:目黒陶芸館別館(八郷・平田邸書院)
http://meguro-gallery.com/