創作における「なんとなく」

創作で、「適当・なんとなく」とよく言いますが、実際どのように考えているのか?と疑問に思う人もいるかと思います。答えから言ってしまうと本当に「経験と勘からなんとなく」なのですが、これでは全く参考にならないので、比較的分かりやすそうな「カドの位置」を例にもう少しだけ詳しく考えてみます。

ある程度以上創作などの経験を積むと、「ある形を折り出すのに大体どのくらいの領域が必要なのか」が予測ができるようになります。もちろん完璧ではありませんが、それでもカドの配置や大きさを決めるには十分な情報です。折りたい形から必要な紙の領域と、さらにその情報を元にして大体のカドの位置などを予測し、その付近から使い易そうな比率や位置を選ぶ。実際にどこまで意識しているかはともかくとして、これがカド配置のケースの「なんとなく」の中身ではないかと思うのです。少なくとも自分の判断基準はそうであるとしか思えない。

さて、この考え方自体それなりにロジカルであると思うのです。ただ、これをだれでもできるかといわれると、恐らく難しい。そもそも前提として「知識や経験を元にした予測」なので、一定以上の知識や経験が必要になります。これに限らず、創作の技術や判断は本当に細かい技術や知識の集合体で、「知識と経験や、それに基づく勘」の割合が大きいものが多く、個別のケースであればある程度の説明はできるのですが、体系化は難しいのではないかと思うのです。

そして、そういった方法を使いたいのであれば、沢山折ってまず知識と経験を蓄えようという話になります。よく、創作をしたいという人への経験者からのアドバイスとして「いろいろな作品を折れ」と常に言われるのは、これが理由の一つなのではないのでしょうか。